はじめに
防犯カメラを導入する際、同一メーカーのカメラとNVRをセットで選ぶのが一般的です。
セットで揃えることで互換性や細かな仕様の不一致によるトラブルが少なく、安定した運用ができるという大きなメリットがあります。
しかし一方で、メーカーを固定すると「欲しいカメラが廃盤になってしまった」「Amazonなどで手に入る安価なカメラを追加したい」といった場合に柔軟性が失われます。メーカーごとのスイッチングコストも高く、拡張性が低いというデメリットが存在します。
こうした背景から、ONVIFやRTSPといった共通規格を活用し、メーカーを混在させても運用可能な仕組みについても考慮した監視体制の構築、というのも考えに入れてみるのはいかがでしょうか。本記事では、それぞれの規格や代表的なカメラ・NVRの特徴を整理しつつ、来客通知や不審者検知といった家庭・オフィス向けの活用法を考えていきます。
技術背景
防犯カメラには、ソーラー駆動やバッテリー・電池駆動のモデルもありますが、安定的な録画を行うためには常時電源供給が望ましいです。
また、従来のNVRは大きなレコーダーとモニターを常時稼働させる設計が多く、家庭利用では日常的に監視するのが難しい側面がありました。
そのため「来客時の通知」や「不審者が現れた時だけ映像を確認」できるようなスマートな運用が求められています。現状、Alexaなどのスマートデバイスへの直接通知には非対応ですが、スマホアプリを通じた通知には幅広く対応しています。
防犯カメラの共通規格
ONVIF
- 世界的に広く採用されている相互接続規格
- カメラの検出・管理、PTZ操作などに対応
- 異なるメーカーを混在させても基本的な機能が利用可能
RTSP
- 映像配信のためのストリーミングプロトコル
- H.264/H.265などの映像コーデックと組み合わせて利用
- 録画やライブビューへの汎用的な接続に向く
ONVIF対応カメラの例
- Hikvision「ColorVu」シリーズ(高性能だが米国規制に注意)
- Dahua「IPC-HDW」シリーズ
- TP-Link VIGIシリーズ
- I-O DATA「Qwatch TS-NA220」(日本メーカー製、PoE対応)
補足: Hikvisionは世界的シェアが高く高性能ですが、中国政府との関係性からセキュリティ懸念が指摘され、米国では政府機関での採用が禁止されています。個人利用では問題ありませんが、公的機関や法人用途では導入可否に注意が必要です。
NVRの選び方
Reolink
- 家庭向けに人気が高いブランド
- アプリ連携が強力で、来客時にスマホへ通知可能
- UIがシンプルで導入しやすい
TP-Link VIGI
- コストパフォーマンスに優れた法人・SOHO向けモデル
- ONVIF対応で柔軟にカメラを追加可能
- 運用管理用のソフトウェアも安定している
Hikvision
- 業務用レベルで高機能(AI解析・高度な動体検知など)
- 世界的シェアが高いが、規制問題に留意が必要
ストレージ・冗長性
- 防犯映像は証拠性が高いため、保存の冗長化が重要です。
- 高性能NVRではRAID構成に対応し、HDD障害に備えることが可能です。
- ただしReolinkやVIGIのNVRはRAIDに非対応であり、1台のHDD故障でデータを失うリスクがあるため、定期的なバックアップが推奨されます。
まとめ
- ONVIFやRTSPといった共通規格により、メーカーを混在させても基本的な運用が可能。
- カメラ選びでは、PoE対応や夜間性能を重視すると安心。
- NVR選びでは「通知の仕組み」「ストレージ冗長性」が大きな分かれ目。
- ReolinkやVIGIは導入しやすい一方でRAIDが組めない点に注意が必要。
- Hikvisionは高機能だが規制面での懸念があり、個人利用か法人利用かで選択を分けるのが望ましい。


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