子育て・介護メリットを“お金”に換算してみた
前回の記事では、
減築はコスパ面では不利になりやすい
という現実を、解体費と土地売買の観点から整理しました。
「じゃあ、なぜそれでも近居を選んだのか?」
今回はその続編です。
感情論になりがちな
「近くに住むと助かる」
という話を、あえて
金額に換算して検証してみます。
なぜ近居の価値は見えにくいのか
住宅の検討では、
- 建築費
- 解体費
- 土地代
といった 目に見える数字 は細かく比較します。
一方で、
- 子育ての助け
- 介護の見守り
- 「何かあったら呼べる」安心感
といったものは、
数字にされない前提で話が進みがちです。
そこで今回は、
「近居がなければ外注・時間ロスになっていたもの」
を基準に、
かなり控えめに金額換算します。
前提条件(今回のモデルケース)
- 子ども:1歳・3歳
- 子育て支援が重い期間:今後10年
- 親の介護・見守り開始:15年後から
- 介護は軽介助・見守りレベルを想定
- 金額はすべて最低限で評価
※「盛らない」ことを重視します。
1. 子育てにおける近居メリット(今〜10年)
突発対応(発熱・呼び出し)
保育園時代、これは避けられません。
- 月2回
- 仕事調整・早退:3時間
- 時給換算:2,000円
3時間 × 2,000円 = 6,000円/回
6,000円 × 24回 = 144,000円/年
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送迎・一時預かりの代替
- 延長保育・ベビーシッター回避
- 月4回
- 1回:2,000円相当
2,000円 × 48回 = 96,000円/年
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家事支援(夕飯・見守り)
- 家事代行に置き換えた場合
- 月2回
- 1回:3,000円相当
3,000円 × 24回 = 72,000円/年
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▶ 子育てメリット合計
約31万円/年
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▶ 10年間の累計
約310万円
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2. 空白期間(10〜15年)
この期間は、
- 子どもはある程度自立
- 親もまだ元気
近居メリットはありますが、
今回は 0円評価 とします。
3. 介護・見守りメリット(15年後〜)
定期的な見守り・声かけ
- 見守りサービス換算
- 月5,000円相当
5,000円 × 12ヶ月 = 60,000円/年
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通院付き添い・買い物支援
- 月1回
- 半日拘束:5,000円相当
5,000円 × 12回 = 60,000円/年
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突発トラブル対応
- 年2回
- 1回:10,000円相当
10,000円 × 2回 = 20,000円/年
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▶ 介護メリット合計
約14万円/年
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▶ 10年間の累計
約140万円
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4. 「呼べる距離」が生む時間と精神的コスト
これは全年代で効きますが、
あえて 控えめ に評価します。
- 移動・調整時間削減:月5時間
- 時給換算:2,000円
5時間 × 12ヶ月 × 2,000円
= 120,000円/年
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対象期間
- 子育て期:10年
- 介護期:10年
12万円 × 20年 = 約240万円
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5. 近居メリットのライフタイム合計
| フェーズ | 金額 |
|---|---|
| 子育て期(10年) | 約310万円 |
| 介護期(10年) | 約140万円 |
| 時間・精神的コスト | 約240万円 |
| 合計 | 約690万円 |
減築のコスパ差と比べるとどうか
前回の記事では、
- 減築による追加コスト:約450万円
という結果でした。
今回の試算では、
近居によるメリット:約690万円
つまり、
- 解体費だけ見れば減築は不利
- しかし 家族の時間軸で見ると十分に回収可能
という結論になります。
この試算が「保守的」である理由
今回の数字には、次を含めていません。
- 夫婦2人分の時間価値
- 教育・情緒面のプラス
- 介護が重くなった場合の差
- 精神的安心感そのもの
それでもこの結果です。
まとめ:住宅の意思決定は「時間軸」で考える
減築は、
コスパだけ見れば正解ではありません。
しかし、
- 子どもが1歳・3歳というタイミング
- 将来の介護を見据えた距離感
- 「車に乗らずに呼べる」関係性
これらを 時間とお金に置き換えて考えると、 違う答えが見えてきます。
住宅は「建てた瞬間」ではなく、
住み続ける時間の総和で判断するもの
だったのかもしれません。
連載まとめ
- 第1回:減築は「解体費の後払いローン」だった
- 第2回:近居メリットを金額換算してみた(本記事)
次は、
「それでも減築を選ぶ人が後悔しにくくするためのチェックリスト」
を書く予定です。


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