ここまでの記事では、
- 警備会社と自作防犯の違い
- 防犯システムに必要な要件
- Home Assistantという中枢
- 通知設計・冗長化・電源確保
と、考え方と設計思想を中心に解説してきました。
第5回では、いよいよ一歩踏み込み、
「実際にはどんな構成になるのか?」を利用シーン別(構成パターン別)に整理していきます。
「これなら自分でもできそう」
「ここまではやらなくていいな」
そう判断できる材料になれば幸いです。
構成パターン①:一般的な自宅(戸建て・集合住宅)
想定シーン
- 留守中の侵入検知
- 鍵・窓の閉め忘れ確認
- 火災・異常音の通知
基本構成
- Home Assistant(ミニPC/NAS/常時稼働PC)
- ドア・窓開閉センサー
- スマートスピーカー(音声通知用)
- スマートフォン(外出先通知)
- ルーター+ONU(可能であれば小型UPS)
設計ポイント
- 警戒セットは必ず手動 or 明示的操作
- 在宅中と外出中でルールを分ける
- 通知は「スマホ+音声」の二系統
完璧を目指さず「気づけること」を優先
自宅用途では、
誤検知を減らし、ストレスなく使えることが最重要です。
構成パターン②:自宅兼事務所(SOHO・フリーランス)
想定シーン
- 業務時間外の侵入検知
- 機材・書類の防犯
- 在宅/不在の切り替え
基本構成
- Home Assistant(UPS接続推奨)
- 開閉センサー+人感センサー
- スマートロック(状態取得のみでも可)
- スマートスピーカー(室内警告)
- スマートフォン+SMS通知
設計ポイント
- 時間帯による警戒モード切替
- 人感センサーは”条件付き”で使う
- 金庫・機材エリアを重点監視
「生活」と「仕事」の境界をどう扱うかがカギ
完全自宅よりも
一段だけ警備会社寄りの考え方が必要になります。
構成パターン③:小規模店舗・無人時間のある拠点
想定シーン
- 閉店後の侵入・破壊行為
- 早朝・深夜の異常検知
- 遠隔からの即時把握
基本構成
- Home Assistant(UPS必須)
- 開閉・振動・人感センサー
- 防犯カメラ(屋外・入口中心)
- スマートスピーカー(威嚇音)
- スマートフォン+SMS+メール
設計ポイント
- 通知遅延=致命傷と考える
- 音による威嚇を積極的に使う
- 将来的な警備会社連携を想定
「止める」より「早く気づく」
DIY防犯では、
初動の早さが最大の武器です。
3パターン共通の考え方
| 項目 | 共通原則 |
|---|---|
| センサー | 少数精鋭で確実に |
| 通知 | 2系統以上 |
| 電源 | 止まる前提で設計 |
| 運用 | シンプルに |
すべてを盛り込む必要はありません。
「壊れたら気づける」設計が重要です。
この回のまとめ
- 構成は用途で大きく変わる
- 自宅用途と店舗用途は思想が違う
- 段階的に強化できるのがDIY防犯の強み
次回は、
**「やってはいけない自作防犯の失敗例」**をテーマに、
- 誤検知地獄
- 家族・従業員からの不満
- 結局使われなくなるケース
などを整理していきます。
「ちゃんと動く」より
**「ちゃんと使われる」防犯システムを目指しましょう。」


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