ここまでで、
- 防犯システムの考え方
- Home Assistantを中枢にした設計
- 通知と冗長化
- 構成パターン別の具体像
を見てきました。
第6回では少し視点を変えて、
**「やってはいけない自作防犯」**をテーマにします。
実は、自作防犯が失敗する理由の多くは
技術的に難しいから
ではなく、
運用できなくなるから
です。
これはエンジニアであっても例外ではありません。
失敗例①:誤検知が多すぎて誰も見なくなる
よくあるパターン
- 人感センサーが猫・風・暖房で反応
- 夜中に何度も通知が飛ぶ
- 結果、通知をオフにする
この時点で防犯システムとしては終了です。
なぜ起きるか
- センサーを「常時ON」で使っている
- 在宅・不在の区別がない
- 時間帯条件を考慮していない
回避策
- 警戒セット中のみ有効化
- 人感センサーは補助扱い
- まずは開閉センサー中心で設計
防犯は「検知精度」より「信頼性」
失敗例②:通知が多すぎて嫌われる
よくあるパターン
- 家族全員に一斉通知
- 軽微なイベントも全部通知
- そのうちブロックされる
防犯システムが
家庭内スパム装置になります。
なぜ起きるか
- 通知レベルの設計がない
- 全イベントを同列に扱っている
回避策
- 通知に「強弱」をつける
- 本当に危険なものだけ即時通知
- その他はログ・ダッシュボードで確認
通知は「少ないほど価値が高い」
失敗例③:スマホ1台依存で詰む
よくあるパターン
- スマホの電池切れ
- マナーモード
- OSアップデート後に通知不達
気づいたときには
何も起きていなかったことになっているケースです。
回避策
- 音声・サイレン通知を併用
- 家族・複数端末へ分散
- ローカルで完結する通知を用意
第4回で触れた
通知経路の冗長化はここで効いてきます。
失敗例④:便利機能を盛りすぎて壊れる
よくあるパターン
- 条件分岐だらけの自動化
- 作者以外は理解不能
- トラブル時に誰も直せない
結果、
壊れても放置されるシステムになります。
回避策
- ルールは「紙に書ける」レベルに
- ifは少なく、シンプルに
- 設定は必ずドキュメント化
防犯は「賢さ」より「継続性」
失敗例⑤:電源・回線を信用しすぎる
よくあるパターン
- 停電=即沈黙
- ルーター再起動で通知不能
- 回線障害で外部通知ゼロ
回避策
- 重要機器のみUPS接続
- ローカル通知を必ず残す
- 「落ちる前提」で設計
警備会社が
電話回線+バッテリーを重視する理由がここにあります。
失敗例⑥:最初から完璧を目指す
よくあるパターン
- 構想が大きすぎて着手できない
- 初期設定が重くて挫折
回避策
- まずは「開閉+通知」だけ
- 動いたら少しずつ足す
- 強化は後からでいい
DIY防犯の強みは、
段階的に育てられることです。
この回のまとめ
- 自作防犯の敵は「技術」ではない
- 最大の敵は「使われなくなること」
- シンプル・確実・冗長が正解
次回(最終回)では、
**「どこから先はプロに任せるべきか」**をテーマに、
- 駆けつけ警備サービスの紹介
- DIY防犯との役割分担
- 現実的な落としどころ
を整理します。
自作と外注、
対立ではなく併用がゴールです。


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