はじめに
防犯カメラを導入するときに課題になるのが「録画機器をどうするか」です。
専用のNVR(ネットワークビデオレコーダー)は映像管理に特化しており安心感がありますが、録画だけのために機器を買うのはコスト的にハードルが高いと感じる方も少なくありません。
その点、NAS(ネットワーク接続ストレージ)は普段は写真や動画、データの保存に使え、加えて防犯カメラの録画もできるため、「せっかくなら他の用途にも使いたい」という家庭利用のニーズに合致しています。
本記事では、NVRとNASの違い、家庭用でNASを使う場合の特徴やコスト感について整理します。
NASで防犯カメラ録画を実現する仕組み
- ONVIF や RTSP に対応した IP カメラを NAS 側の録画アプリケーションに登録する。
- NAS 上でスケジュール録画やモーション検知、イベント通知などを設定。
- 録画データは RAID 構成(例:RAID1/RAID5)で保護可能。
- スマホアプリで映像確認したり、録画映像を家庭内の他の端末で共有したりできる。
NVRとの機能差とNASの利点
| 項目 | NVR(汎用的な機器) | NAS(QNAP/Synologyなど) |
|---|---|---|
| 主な用途 | 防犯カメラ録画に特化 | 録画+ファイル共有・バックアップ・メディア保存 |
| ストレージ冗長性 | RAID非対応のモデルが多い | 多くは RAID 構成対応(HDD障害への耐性あり) |
| 拡張性 | カメラ増設はモデルの上限に依存 | カメラ台数や用途に応じた柔軟な構成変更が可能 |
| 日常利用の利便性 | 専用機として操作はシンプル | 録画以外の用途(バックアップ、メディア保存など)にも使える汎用性 |
| 価格構成 | 機器購入のみで完結することが多い | カメラライセンスが必要。特定の機能には追加費用あり |
RAIDとは?
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は複数のHDDを組み合わせて信頼性や速度を向上させる仕組みです。
例えば家庭用では以下のような構成が一般的です:
- RAID1:同じデータを2台のHDDに保存(ミラーリング)。1台故障しても復旧可能。
- RAID5:3台以上でデータを分散しつつ冗長性を確保。容量効率と安全性のバランスが良い。
NASを利用することで、録画データの消失リスクを低減できる点はNVRにはない大きなメリットです。
NASの通知/ライセンス構成(家庭用向け)
Synology(Surveillance Station)
- 初期設定ではカメラ2台まで無料。それ以上は追加ライセンスが必要。
- 追加ライセンス例:1カメラ追加につき約€52(約7,500円前後)。
(cameralicense.com)
QNAP(QVR Pro / QVR Elite)
- QVR Pro は永続ライセンス方式:カメラ1台につき約USD 69。4チャンネルで USD 259、8チャンネルで USD 479。
(software.qnap.com) - QVR Elite はサブスクリプション方式:月額USD 1.99/年額USD 19.99から。
(software.qnap.com)
まとめ
- NASは「録画+普段使いのストレージ」として導入メリットが大きい。
- 専用NVRと比べると機能は限定的だが、RAIDによる冗長性や日常利用の利便性を考えると、家庭用では選びやすい。
- カメラ台数を増やす場合にはライセンス費用が発生するため、あらかじめコストを見積もっておくのが安心。


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